親権や子との面会が争われるような手続きにおいては,家庭裁判所調査官による調査が行われることが多いです。
子の監護者を決めるためには,法律や社会通念だけでなく,夫婦や親子の人間関係,性格,生活環境などの事実を把握することが必要不可欠です。そのため,心理学や教育学などの知識を持った家庭裁判所調査官がそういった事実の調査を行います。
では,実際に,どのような調査が行われているのでしょうか。
調査内容は,子の監護状況,子の意向,親子交流場面の観察などです。調査は,面接,家庭訪問,家庭裁判所内の調査室での親と子の面会の観察などの方法によって行われます。
・面接
調査官は,個別に親と面談し,親のこれまでの経歴,職業や収入,生活スケジュール,住居の状況や同居者の有無等の聞き取りを行います。
調査において重要なことは,①これまで子をどのように養育してきたのかという点, と②これからどのように子を養育していく予定であるのかという点, を具体的に説明できるようにしておくことです。
①これまでの養育に関しては,どのようなことに気をつけて食事を用意していたのか,子どもが好きな食べ物は何か,子どもがどのような遊びが好きで,その遊びをするとどのような反応をするのかなど,細かく話をすることになると思います。
②これからどのように子どもを養育していくのかに関しては,子どものとの生活の具体的なスケジュール考えておくことが重要です。その際に,手伝いをしてくれる親族などを確保して,具体的にどのようなことを助けてもらうのかということまで決めておくと,子どもに良い環境を準備できていると言うことをきちんと伝えることができます。
・家庭訪問,親と子の面会の観察
家庭訪問の主な目的は,子どもに対する調査をすることです。同居している親からの影響を排除するため,親に席を外してもらって調査が行われるように配慮されることが多いようです。
また,子が同居している親や家族とどのように接しているのかも観察の対象になります。同居していない親については,試行面会といって,家庭裁判所にあるプレイルームのような部屋で子どもと面会する機会を設け,その様子を観察することがあります。
これらの方法の他にも,学校や保育園などの関係機関の調査,親や子に対する心理テスト,親族などとの面談なども行われることがあります。
心理学などを学んでいる家庭裁判所調査官に対しては,そのときだけの取り繕った姿を見抜かれてしまうこともあるようです。
きちんと準備をした上で,自然体で調査に応じるようにしましょう。
平成27年9月9日
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