婚姻関係にある夫婦は,同居する義務があると法律上規定されています(民法752条)。
そのため,この同居義務に違反しているとして責められることを恐れ,別居することを躊躇する方もいらっしゃいます。
しかし,単身赴任が当然に行われていることからもわかるように,同居義務には例外があります。
夫婦が破綻状態にある場合や,一方が同居を拒否して翻意する可能性がないような場合は,この例外にあたり,別居をしても同居義務に違反していることにはなりません。
実際に,離婚に向けて話し合いをしている夫婦は,別居をしているケースが非常に多いです。
ただし,子を連れて別居した場合,子どもを巡って大きな争いに発展することがあります。
子と引き離された親は,子を取り戻そうとすることがあります。しかし,親権者であっても,適切な方法で子どもを取り戻さなければ,「未成年者略取・誘拐罪(刑法224条)」に問われる可能性があるため,注意が必要です。実際に,子が監護されている状況に問題がないにも関わらず,保育園から出てきた子をいきなり抱きかかえて走り去る等,粗暴で強引な方法によって自分の支配下に置いたとして,子を連れ去った親が未成年者略取罪で有罪になった事例があります(最判平成17年12月6日参照)。
また,このような未成年者奪取罪に該当するような行為や,面会交流後に子どもを帰さない等,違法な行為を行った場合には,子の養育を行う適格性に疑問があるとして,監護権や親権の判断の際,不利な事情として考慮されることがあります。
子どもを取り戻す方法としては,裁判所において,子の引渡し及び監護者指定の調停や審判を申し立てる等の法的な手続を利用することが適切です。
子供に関して親が激しく争うことになれば,子どもにも大きな精神的負担がかかります。
子どもの気持ちに慎重に配慮することが求められます。
平成28年1月28日
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