尋問とは,裁判所において,裁判の当事者や関係者が質問に答える手続きです。
当事者や関係者が尋問で話した内容は,裁判官が判断をするための証拠となります。そのため,しっかりと準備をしていく必要があります。
では,具体的に,どのような手続きが進み,どのような準備をしていけばよいのか,ご説明します。
※尋問手続の流れ
① 尋問が始まるまで,傍聴席などで待機します。
② 裁判官から呼ばれ,証言台の前に立ちます。最初に,氏名,住所を聞かれ,人違いでないことを確認されます。
③ 嘘をつかないことを誓約する「宣誓」という手続を行います。
④ 尋問を請求した側からの質問に答えます(「主尋問」と言います。)。
自分が当事者である場合,自分が依頼している弁護士からの質問に答えることになります。
⑤ 他方の当事者側からの質問に答えます(「反対尋問」と言います。)。
自分が当事者である場合,相手方からの質問に答えることになります。
⑥ ④で質問をした側から,再度,質問がされることがあります(「再主尋問」といいます。)
⑦ 最後に,裁判官から質問がされることがあります。
・尋問で気をつけること
※質問者の質問が終わってから回答を始めること。
複数の人が同時にしゃべると聞き取りづらいため,裁判官などから注意 されます。尋問の最中に注意をされると,緊張がより高まってしまうこ とがあります。そのため,注意をされないよう,最初から気をつけてお く方がよいでしょう。
※わからないことを聞かれたときに無理矢理答えないこと。
緊張しているときにわからないことを聞かれると,無理矢理変な回答をしてしまうことがあります。しかし,そのような回答は,後で不利な証拠となってしまうおそれがあります。わからないことを聞かれた場合には,「質問の内容がわかりません。」などと質問の意味を聞くこともできます。また,内容によっては,素直に「わかりません。」「覚えていません。」と回答した方がよいこともあります。
※質問には端的に答えること。
尋問は,一問一答の形式で行われます。例えば,「あなたは昨日の夜,何をしていましたか。」と聞かれたら,「仕事をしていました。」というように,1つの質問に対して,1つの回答をすることになります。関連した事実についても話したくなってしまう方が多いですが,大切な部分で時間が足りなくなってしまうおそれがあります。聞かれた質問には,短く答えるようにしましょう。
※相手の挑発に乗らないこと。
相手方の中には,わざと怒らせることで冷静さを失わせ,不利な回答を引き出そうという作戦をとる人もいます。相手方からの質問は,当然に,気分を害するような内容が含まれるものです。まんまと相手の術中にはまることのないよう,冷静さを保つようにしましょう。
※これまで提出した書類を見直しておくこと。
尋問の内容は,裁判でそれまでに提出した書類と同様に,裁判官が判断する際の証拠になります。尋問で話すことが,それまでに提出していた書類の内容と違うということになると,嘘をついているのではないかと疑われる可能性があります。そこで,これまでの裁判で自分がどのような主張をしてきたのか,確認をしておくことが必要です。
※相手がどのような質問をしてくるのか予想しておくこと。
相手がどのような質問をするのかは,尋問が始まるまでわかりません。しかし,相手方がこれまでしてきた主張の内容から,だいたいの内容を予想することができます。そこで,相手がしてくる質問を予想して,シュミレーションをしておくことで,不安を取り除くことができるでしょう。
平成28年8月5日
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