養育費に関する取り決めが公正証書(公証役場で作成する書類)や裁判所が作成した書類(調停調書や判決等)でされている場合、養育費の支払いが滞った時には、相手の財産を差し押さえ、その財産から支払いを受けることができます。
差し押さえの対象のひとつとして、養育費の支払い義務を負っている人の銀行口座の預金があります。
これまでの制度では、銀行口座の預金を差し押さえるためには、銀行の支店名まで把握していなければなりませんでした。つまり、どの銀行のどの支店に口座を持っているのか調査しなければ、差し押さえをすることができなかったのです。
離婚をした相手の銀行口座を調査することは、個人の能力では困難です。そのため、差し押さえができず、泣き寝入りをしなければならないケースが多くありました。
このような状況を打開するため、法務省は、裁判所が金融機関に支払い義務を負う者について預金口座の有無を照会し、支店名や残高を回答させる制度を作る方針を固めました。この新しい制度が施行されれば、差し押さえを行う際、支店名まで特定する必要はなく、金融機関名を挙げれば差し押さえの手続きを開始できることとなります。
この制度に関する法改正案は、2018年の国会に提出される予定です。
新制度が施行された際には、養育費の差し押さえがこれまでよりも簡単にできる可能性があります。
支払いが滞った場合に備え、養育費の取り決めに関して、公正証書や裁判所が作成した書類を作成するようにしておくことをお勧めします。
平成28年9月22日
離婚に関するご相談ならどのような相談でもお気軽にお問い合わせください。
<よくあるご相談>
依頼者にとって便利な場所に、ということで、交通便利な金山に事務所を設立しました。
老若男女問わず、愛知県全域の皆様から愛される事務所を目指しております。お子様連れの方やご年配の方も安心してご来所ください。