面会交流の日時や方法が取り決められた場合であっても,双方の協力がなければ面会を円滑に実施することはできません。
協力がうまくいかず面会が実施できない場合,別居親はどのような手段をとることができるのでしょうか。
まず,裁判所に対し,履行勧告を求める方法があります。これは,書面または電話で,裁判所から同居親に対し,面会をするように勧告してもらう制度です。裁判所が関与することにより実施が促される効果がありますが,拒否したとしても罰則がないため強制力がないというデメリットがあります。
次に,同居親が決められた面会の実施を怠った場合に,ペナルティとして金銭の支払義務が生じる,間接強制という方法があります。
間接強制を可能とするためには,面会の取り決めをする際に,面会の日時,頻度,引渡方法等が具体的に定める必要があります。同居親がなすべき債務を特定しなければ,これを怠ったと認定することができないからです。
もっとも,面会交流は,子の成長とともに方法や日時に変化が生じるのが通常です。そのため,本来であれば子の成長に合わせて柔軟に変更できるように,面会交流に関する定めも抽象的なものにすることが多いです。間接強制にこだわるあまり,細かくやり方を定めてしまうと,面会が硬直的なものになってしまうため悩ましいところです。
また,子が面会を拒否している場合に,間接強制を否定した事例もあります(大阪高決平成29年4月28日)。この事例は,子が高校1年生であり,面会を実施するには子の協力が不可欠であるという点や,子の精神的成熟度を考慮すると,拒否する意思が強固であるのに面会を強いることは子の判断能力や人格を否定することになり,子の福祉に反することになるという点を重視して間接強制を否定しました。
平成30年5月30日(水)
離婚に関するご相談ならどのような相談でもお気軽にお問い合わせください。
<よくあるご相談>
依頼者にとって便利な場所に、ということで、交通便利な金山に事務所を設立しました。
老若男女問わず、愛知県全域の皆様から愛される事務所を目指しております。お子様連れの方やご年配の方も安心してご来所ください。