離婚事件のご依頼を受けるとき、たいていの場合、すでに夫婦が別居して生活をしています。同居しながら離婚調停をすることもありますが、裁判所でお互いの主張をぶつけ合った後、同じ屋根の下で暮らすというのもバツが悪いので、状況により別居をお勧めすることもあります。
別居の仕方として、夫婦双方で話し合い、家を出る日付を特定した上で、必要な荷物を持って出て行くというのが通常です。場合によっては、引っ越し業者を手配して、転居することもあるでしょう。
他方で、DV事案や切羽詰まっているケースなどでは、鞄一つで着の身着のままで家を出ることもあります。そのような場合、後日、衣類や貴重品、思い出の品などを、持ち出す必要があるのですが、夫が在宅しているため怖くて持ち出せないという問題があります。また、自宅に入ることができる場合でも、所有関係がはっきりしない物を勝手に持ち出すとトラブルになることがあります。
また、話合った上で別居開始した場合でも、持って行くのを忘れたとか、一度で持ち運べなかった物を、取りに戻りたいということもあるでしょう。
そのような場合、双方に弁護士がついていれば、持ち出したい物をリストアップして相手方に打診し、日程を調整して、取りに戻るという方法があります。持ち出す物が多い場合、引っ越し業者を手配したり、軽トラなどをレンタルすることもあります。
また、双方の不信感が強い場合、不在の折に家に入られたくないという人もいます。そのような場合、代理人が立ち会って、何を持って行くのか、確認しながら作業をすることがあります。離婚成立後に、双方の代理人が立ち会って、荷物を引き取るということもしばしばあります。
厳密に言えば、婚姻期間中に購入した動産も、財産分与の対象になるのですが、中古の物品については値段がつかないことがほとんどですので、金銭的な価値を分けるというよりも、互いに欲しい物を持って行く方がうまくいきます。
双方が欲しいと言った場合、争いになるのですが、金銭に換算するとわずかですので、家財道具を全部持って行く側については、分与額を若干下げるなどして調整することもあります。
相手方への恨みから、相手方が大切にしている思い出の品を処分してしまう人もいますが、紛争が拡大し、かえって自分に不利益になることもありますし、場合によっては、損害賠償の対象にもなりますので、自制された方がよいでしょう
このように、自宅に残してきた荷物については、最後まで、争いの材料になってしまいますので、弁護士に相談しながら慎重に進めてください。
2020年4月27日
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