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弁護士によるコラム83

離婚の経済学

   「離婚の経済学」(著:橘木俊詔・迫田さやか 講談社現代新書)という本を読みました。
   
経済的な問題と、離婚問題は直結しています。そのことについて、豊富なデータをもとに、様々な角度から検証を加えた本です。以下、要点を抜粋してみました。

   厚生労働省の人口動態調査によれば、2018年に208,333件の離婚が成立しています。他方、50歳時未婚率は、男性が23.4%、女性が14.1%となっています。

   なぜ、これほどまでに離婚が増え、そして結婚する人が少なくなったのでしょうか。

   年齢別に離婚率を見ていくと、25歳から39歳までの離婚率が最も高くなっています。熟年離婚が増えたといわれますが、統計によると、さほど割合が多くありません。
   
しかし、離婚率というのは、総人口に対する離婚者の割合なので、結婚している人に対する離婚者の割合で見ると、19歳以下の離婚率は、男性が40%、女性が80%と高くなっています。これは、いわゆる“できちゃった婚”により、結婚をしてみたはいいものの、婚姻生活が頓挫してしまったケースが多いようです。 

   国際比較で見ると、ロシアの離婚率が高くなっています。結婚した夫婦の約半数が離婚しています。
   
ロシアで行われた調査によると、浮気、貧困、妥協を許さない価値観の対立という離婚理由に加えて、アルコール依存症、家の狭さなどが挙げられています。寒いロシアでは、ウォッカを飲む習慣があるため、酔っ払って暴力をふるったり、狭い家の中で喧嘩をするなどといったことが、離婚理由になっているようです。

   アメリカでは、1960年あたりから離婚率が上昇していますが、1980年あたりからほぼ横ばいになっています。
   
多くの先進国において、同じような傾向が見られます。これは、同棲や未婚など、結婚をしていないパートナー関係が増えていることが影響していると思われます。

   時系列で見ると、日本では、明治の初期と中期では離婚率がかなり高かったようです。ところが、明治31年、民法が施行され、さらに戸籍法によりいわゆる家制度が確立されたことにより、離婚が急減しました。

   不倫についてみると、夫の所得が高くなるほど夫が不倫する確率が高まるようです。また夫よりも妻の方が稼いでいる場合も、夫が不倫する確率が高まるようです。男性は、稼ぎが悪くなり、一家の大黒柱としての威厳が危ぶまれた時、不倫をすることで男性としての威厳を保つという傾向があるようです。
   
また、男性は自分の妻よりも若い女性と不倫し、女性は自分の夫よりも高学歴の男性と不倫する傾向があるようです。男性は子孫を増やすため妊娠しやすい若い女性を求め、女性は優秀で生き残りやすい子供を残すべく優秀な男性を求めるということなのでしょうか。

   裁判所に離婚を申立てる件数は、妻からが7割、夫からが3割と、妻からの申立ての方が多くなっています。
   
これはなぜでしょうか。夫が暴力、不倫、生活費を渡さないというようなことをすると、妻はたとえ生活苦になることが予想できても真剣に離婚を望むようになる、と言うことのようです。

   養育費については、実際に受け取っている母子世帯は4分の1位のようです。しかし何らかの取り決めをした場合には5割程度が受け取ることができているようです。
   
養育費が支払われない原因ついては、離婚するときの仕組みの問題も大きいですが、離婚した男性も所得の問題もあるようです。
   
一般の父親のうち、本人の年収が3,500,000円未満の割合は2割位であるのに対し、離婚した父親では5割以上が3,500,000円未満になります。つまり、養育費を払いたいけれど、所得が低くて払えないのかもしれないということです。そもそも、所得が低い男性は、結婚をすることができない、という問題とも関連してきます。

   他方、母子家庭の母親は、正社員よりも、非正規雇用の方が圧倒的に多くなっています。これは家事育児との両立をさせるためには、フルタイムで働くのは難しいと言う事情があるようです。このような雇用形態が、母子家庭の貧困を定着させてしまっています。

   最近の生涯未婚率の上昇の原因には、結婚しない人と結婚できない人の2種類があります。
   
前者は、結婚しなくても楽しいことがあるから、後者は、結婚したいけれども所得が低くて結婚できないという問題があります。
   しかし、総じて、結婚しなくても楽しいことがあるかもしれないけど、やはり結婚した方が幸せになれるのではないか、と考えている人が多いようです。 
   
同性婚や事実婚など、結婚観が変化してきてはいますが、まだまだ、結婚した方が幸せになりやすい社会の構造になっているからなのかもしれません。

 

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代表弁護士宮本大祐
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