子どもがいる夫婦が離婚する場合,子どもとの面会交流について,協議が必要になります。
一般的には,月に1回程度の面会を約束することが多くなっています。
このような一般的な取り決めについて,子と離れて暮らすことになる親(「非監護親」といいます。)から,面会の回数が少なすぎるとして疑問の声があがり,話し合いが難航することが少なくなりません。
そして,離婚後にも,監護親が,非監護親に子どもを会わせないことにより,面会の実施についてトラブルが発生することがあります。
このような事態が発生した場合に,非監護親がとりうる手段として,裁判所に間接強制の申立てを行うことが考えられます。
間接強制とは,裁判所が,監護親に対し,面会交流を行わない場合に,金銭の支払いを命じる決定を出すことで,面会交流を行うように促す手段です。
ただし,裁判所は,単に面会交流を行わないことのみで,間接強制の判断をするわけではありません。
監護親が,正当な理由がないのに義務の履行をしない場合に,特別の事情がない限り,間接強制の決定をすることができます(大阪高決平成14年1月15日参照)。
監護親が面会を拒否しうる「正当な理由」とは,子どもが,非監護親に対して,同居中の非監護親の態度に起因する拒否感情を抱いているため,面会を行うことで,子が情緒的に混乱するおそれがある場合などです。
例として,同居中に,子に対して暴力を振るった非監護者の面会交流の申立てを却下した事例があります(横浜家審平成14年1月16日)。
また,非監護者が犯罪等の問題行動を起こした場合や,面会交流のルールを遵守しない場合も,この「正当な理由」になりえます。
非監護親が間接強制を求めることが許されない「特別の事情」とは,面接の交渉が復縁を目的としている場合や,面接交渉の方法や手段が不適当な場合などです。
子どもを争いに巻き込み,精神的な負担をかけることがないよう,双方の親が配慮していくことが必要です。
平成29年3月7日
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