いわゆるイクメンが増えてきて、男性が子育てに参加するようになってきたからでしょうか、離婚の際、親権を主張する男性が増えています。
離婚する際には、夫婦の一方を親権者と定めなければなりません(民法819条)。日本では、どちらか一方のみを親権者とする単独親権がとられているのです。
そのため、離婚の際、双方が親権を求めて争うということがあります。親権を決める際に、これまでの主たる監護者としての実績が重視されるため、主に育児を担ってきた母親が有利となる傾向があります。単純に女性が有利ということではなく、夫はせいぜい仕事から帰宅してからと、土日しか面倒をみることができませんので、多くの場合妻側が有利となるのです。
共稼ぎのケースでも、子どもが小さいと、産休や育休をとって育児に専念した妻の方が有利となってしまいます。
そして、財産分与などの金銭上の争いと異なり、間を取るという解決ができないため、争いが激しくなり紛争が長期化する傾向があります。親権争いは、100か0かの争いとなってしまうため、譲歩する余地がないのです。
2人子どもがいる場合、一人づつ親権をとるということも普通はしません。きょうだい不分離という原則があり、きょうだいは原則として、一緒に育てられるべきであるという考え方があるからです。
また、インターネットをみていると、親権と監護権を分けて解決することを勧めている記事をみかけることがあります。しかし、親権と監護権を分けてしまうと、実際に子どもを育てているのは監護権者なのに、法律行為をするような場合には、親権者の許可を得なければならないなど、実生活上に不都合が生じる場合が出てきてしまいます。監護権者が自由に育児をすることができず、不自由な思いをすることがありますので、よほど特殊な事情がない限り、親権と監護権を分けることはお薦めしません。
夫側から、共同親権なら、こんなことにはならないのに、という意見を聞くことがあります。
最近、新聞を読んでいても、注目されているのか、共同親権に関する記事をみかけることが多くなりました。
法務省によると、共同親権を採用していないのは、G7では日本だけであり、G7以外でも、中国や韓国、ロシアなど、主要な国では共同親権が認められています。
確かに、共同親権が制度化されれば、親権争いはなくなります。
しかし、それで問題が解決されるのでしょうか。
共同親権だろうが単独親権だろうが、子どもと一緒に住んで育てていくのは一方の親になります。もちろん、他方の親も面会などを通じて関与することができますが、これは単独親権でも同じです。むしろ、単独親権だからこそ、面会交流の充実を図る方向性で検討がされることもあります。
また、夫婦の仲が悪くなって離婚するわけですから、離婚後、双方が親権を持つ場合、結局、養育方針がまとまらず、喧嘩になって、子どもが双方の間で引き裂かれてしまうことが容易に想像されます。双方ともに権利があるわけですから、譲らずにかえって紛争化することがあるでしょう。
また、妻に対するDVや、子に対する虐待があったような場合、加害者であった親が、子や元妻と接触する機会が継続することになってしまうという問題もあります。
他方で、単独親権のデメリットとして、同居親が子どもを囲い込んで、別居親に会わせようとしないという問題があります。
しかし、これについても、共同親権にして、子どもに会う権利を付与されたとしても、結局、同居親が会わせることを拒んだ場合、強制的に面会させる方法には限界があるでしょう。
また、単独親権だと、養育費を支払う意欲が希薄になりがちであると言われています。しかし、これは意欲の問題ではなく、養育費を怠ったら給与を差押えできるように手当をしておけば、高い確率で支払を担保することができます。
このように考えると、共同親権でも単独親権でもたいして変わらないような気もしてきます。少なくとも、共同親権になったから、これまでの問題が解決するというような単純な問題ではないということです。別居親が親権を得たからといって、できることは限られていますし、逆に、権利を振りかざして新たな問題が起きることも想定されるのです。
もっとも、単独親権であるがゆえの不毛な争いがあることも事実ですので、離婚後の子どもとの関わりについての対策は必要です。このような問題を検討する際には、子どもが恋しいからという親の視点ではなく、子どもにとって親がどうあるべきか、という子どもの視点を中心に考えていくべきでしょう。
2019年7月2日
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