内縁とは,婚姻届を提出していないため,法律上は正式な夫婦とは認められないものの,事実上は夫婦の関係にあるカップルのことを言います。
内縁関係であると認められた場合,関係を解消する際に財産分与が認められる等,法律上の夫婦と同等の扱いを受ける場面が多くあります。
しかし,10年程度同棲をしているカップルであっても,同棲しているという事実のみで,内縁関係が認められるわけではありません。
そこで,どのような場合に内縁関係が認められるのか,ご紹介します。
内縁関係が認められるために欠くことができない要素が,
①男女の間で婚姻の意思があること
②婚姻の意思に基づいた共同生活が相当期間継続していること
です。
①婚姻の意思とは,社会通念上の夫婦関係を形成する意思です。具体的には,男女がお互いに,同居すること,扶助義務を負うこと(生活面や精神面で支え合うこと),貞操義務を負うこと(浮気をしないこと)に同意している状態と言えます。
婚姻の意思があるかどうかは,単に,お互いが婚姻意思を持っていると宣言しているだけでは,認められません。結婚式を行ったかどうか,親族や友人らが当該男女の関係をどのようなものと認識しているのか,どのような共同生活を行っているのか等の客観的な事情を総合的に考慮して判断されます。
②共同生活の期間がどの程度必要かは,一概に判断できるものではありません。婚姻をしない事情,婚姻意思の内容,精神的・経済的な協力扶助の状況,共同生活前の関係継続の期間等との比較考慮の上で,相当な期間が決まることになります。
また,別居しているからといって,直ちに内縁関係が否定されるわけではありません。住まいは別々でも,お互いの住居の往来の頻度,身体的に虚弱な相手方を精神的にも日常生活上でも扶助していた事実などを考慮し,内縁関係を認めた裁判例もあります(大阪地判平成3年8月29日)。
このような事情の他,重婚や近親婚等,法律上の結婚が認められない理由の存否についても考慮して,内縁関係があるかどうかが判断されます。
平成28年1月28日
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