令和6年の民法改正では、親権の在り方とあわせて、子の「監護」に関するルールも整備されました。今回は、監護者の定め方と「監護の分掌」という新たな概念についてご説明します。
1 監護者とは
「監護者」とは、子と実際に生活をともにして、日常的な世話・養育・教育を担う者をいいます。親権と監護は本来一体のものですが、さまざまな事情によって、親権者とは異なる者が監護者に指定されることがあります(例:親権は父、監護者は母、など)。
改正法においても、父母の協議または家庭裁判所の審判・調停によって監護者を定める仕組みは維持されています。
2 婚姻中の別居時における親子交流の明文化
改正前の民法には、婚姻中の別居時の親子交流(別居親と子との交流)に関する明文規定がありませんでした。そのため、実務では民法766条(離婚後の規定)を類推適用して対応してきましたが、根拠が不明確なため運用にばらつきが生じていました。
改正法では、婚姻中に父母が別居している場合の子と別居親との交流について、①父母の協議で定めること、②協議が調わない場合は家庭裁判所の調停・審判で定めることが明文化されました。これにより、婚姻中別居時の親子交流についても、裁判所が適切な判断を行う制度的根拠が整備されました。
3 監護の分掌
「監護の分掌」とは、父母の双方が子の監護に関与する場合に、監護の内容・役割をそれぞれが分担して担うことをいいます。改正法では、共同親権が認められる場合も含め、父母がそれぞれどのように子の監護を分担するかを取り決めることができることが明確にされました。
監護の分掌の具体的な内容としては、例えば「平日は母が監護し、週末は父が監護する」「学校行事への参加はどちらも行う」「医療に関する決定は共同で行う」といった取決めが考えられます。このような取決めは、子の生活の安定を確保しつつ、父母双方が子の養育に関与し続けるための重要な枠組みとなります。
4 家庭裁判所による監護者の指定
父母の協議が調わない場合や協議ができない場合は、家庭裁判所が当事者からの申立てまたは職権で監護者を定めることができます。裁判所が監護者を定めるにあたっては、子の利益を最優先に考慮し、次のような事情が総合的に検討されます。
まず、子の年齢・発達状況・心身の状態が重要な考慮要素となります。特に、乳幼児については従来から「母性優先の原則」が考慮されてきましたが、あくまで子の利益の観点から柔軟に判断されるものです。次に、父母それぞれの監護能力・監護意欲・監護実績、経済的・環境的な状況、子の意向(子が一定の年齢に達している場合)なども重要な考慮要素です。
5 実務上の留意点
監護者の指定や監護の分掌を定める際には、単に法律上の取決めをするだけでなく、実際に子の生活がどうなるかを具体的に見通した上で取決めを行うことが重要です。特に、監護の引継ぎ・連絡の方法・緊急時の対応・費用負担の分担など、実務的な事項についても詳細に取り決めておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。
監護者の定めや監護の分掌についてお悩みの方は、当事務所にご相談ください。お子さんの利益を最優先に、最善の解決策をともに考えてまいります。
2026年4月8日
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